はこのなか

出して! ここから 出して! 身動きができないほど せまい 息苦しさが 私をさらなる恐怖へと誘う 出して 出して 出して 出して ただじっと 耐えるしかない この得体の知れない 囲まれたせかいのなかで 出して! ここから 出して…… 私は ここから逃げ出したい
 
 

歌姫

リン…… となった まるで鈴の音のよう 透き通って 不思議なくらい澄んでいる リン…… となった それはメロディを奏でる そこにいる全ての存在が 音の流れに身をまかせている リン…… となった 歌姫は 春を呼んだ
 
 

空からの贈り物

ひらひらと 降りてきた それは色も形もない 本当にあるのかさえわからなくなってくる だから 気がついた者だけが触れる これは何? これは 空からの贈り物 どうやって使う物? さあ それはわかりません でもほら またひとつ 空からひらひら降りてきた
 
 

時計の針

どんなにがんばっても追いつかない いつもいつも追い抜かれていく もう少しゆっくり進んでほしいのに あっという間に僕を追い抜いていく 何度も何度も僕を追い抜いていく そしていつしか 日付が変わってしまう 僕はのろまな自分に嫌気を感じていた もう止まってしまおうかと 何度も思った あいつは僕を追い抜いていくたびに 肩を叩いていった 言葉はない けれどそのたびにまた 頑張ってみようという気が湧いてきた 僕はまだあいつに追いつけない いつの日か追いつく日を信じて 僕はあいつを追い続けていく
 
 

ことば

つたえたい つたわらない つたえてるのに つたわらない たった一つ それだけなのに たった一つ…… つたえる術を 私にください
 
 

ひとこと

言葉一つで 私の心は 満たされる 言葉一つで 私の心は 落ち込む たった一言なのに それなのに…… 言葉一つで 私は 傷つく 言葉一つで 私は 怒る たった一つの言葉 それだけで 私は 舞い上がる
 
 

問いかけ

あなたはこれでいいの? シラナイ。私は…… 本当に、この道でいいの? 私は…… あなたは本当にこれを自分で決めたの? うるさい! 私は相談して、自分で決めたんだ!  相談相手が決めたのでしょう? それであなたは納得できるの? …………。 あんたは誰だ?! 私は、あなた あなたは自分自身の声も忘れてしまったのですね? 違う! 私はあんたなんか知らない! 言葉だけの、あんたなんか……! ……大丈夫。わかっているようね 何かあったらまず私に相談しなさい 一番大事な相談相手は私なのだから 何を言う! 相談相手になんかなってくれないじゃないか! それは……、あなたが私に問いかけないから まず、問いかけてみて そして自分自身で考えることを忘れないで……
 
 

自己採点

100点! それは おめでとう 90点! それも おめでとう 80点 70点 60点……20点 10点 そして 0点 何点だって同じ おめでとう あなたの結果にあなたがつけた点数 甘すぎるかもね 厳しすぎるかもね でも あなたがあなた自身を見てつけた点数 たとえそれが0点だって 0点だと言える自分がいるんでしょう? あなたはもう 0点じゃないよ 自分の点数が言えたんだ おめでとう でもね ごめんなさい 私は私の点数が言えないんです
 
 

透明な迷路

何もなかったはずなのに 急に何かにぶつかる 真っ直ぐ歩けると思ったのに 正面に見えない壁が立ち塞がっている 右に進んでも 左に進んでも また 何か見えない壁にぶつかってしまう それはまるで透明な迷路 何もないと思わせて 実は複雑な迷路が待ち受けている 一度入ったら抜け出るのは至難の業 逃げ出すことは簡単 逃げ出してみる? 進みたい道には行けなくなってしまうけど 透明な迷路 誰しもが入る 予想のできない迷路 あなたは今 迷路の中ですか? それとも まだ平坦な道を歩いているのでしょうか?
 
 

風が吹いた なんてことない 風 いつも感じている 風 暖かい 冷えた身体 冷えた心 その両方を解かし 癒してくれる 風が吹いた 優しく 包み込んでくれる風 この風はじっと私を見ていてくれている 風が吹いた 私は それを身体いっぱいに感じている